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建築時代の労働の話。

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私のリフォーム会社時代の先輩はたいした男ではなかった。
瓦職人だったらしいが前の会社は揉めてやめて、40後半で大分体も動かなくなっていた。

職長のような人格者でも年下と世代を越えて打ち解けるわけでもないこの男は、今までの人生を威嚇とヤクザ的な礼儀だけでやってきて、だから露骨に彼はリフォーム会社では避けられていて、組む相手がいないので新人教育という名目で新人を組まされていた。

彼の矛盾した言動は枚挙にいといがない。
「家業なんて家族とプラプラできる楽な仕事」そう言うわりに自分は離婚して両親とも上手くはいってはなかった。
私が少しでもバテるとサボるなと大声で罵倒したが、自分は私の年下の先輩に仕事を任してパチンコに行き、その先輩と大揉めしたと後で聞いた。
ヤクザ的な脅しかたをしてくる男で「辞めろ」と言って私がなにか言うと「簡単に辞めるとか言うなクズ」「もうお前には何も教えん」「分からんかったら聞けアホンダラ」指示も言うこともとにかく無茶苦茶だった。

とにかく辞めさせようとするような罵倒を繰り返した後、私が弱気になると「簡単に辞めるというなクズが」というのが彼のお得意の威嚇だった。辞めてほしいのか、辞めてほしくはないのかは分からない。
こういう根底では寂しさを抱えた上で良い格好をしようとする矛盾したヤクザ気質の男ならではの態度。
はじめの内はどこか寂しそうな態度と男ぎのある台詞に女は惚れるが、根底が矛盾しているから生活が続かない。
だから、離婚したんだろう。事実今までの会社を点々として、ここにたどり着いた。私が辞めたいというと爆発するが、本人は何かと言うと辞めるのを匂わせる発言をして、会社に自分の価値を認めさせようとしている。

私の会社の社長が人情味があるから、それが成立したが、正直今もあの会社にいるのかは分からない。
恐らく今までの会社はその態度が原因で解雇されてきたのだから。

屋根仕事意外の仕事をやろうとしないので、屋根仕事ばかりやらされていた。それも別にはやいわけではない。対してはやくはないが威嚇して自分ルールを押し付ける事で何とか歳上の存在感を発揮していたが、本人のいない所では、瓦職人なのに対して仕事もはやくないと馬鹿にされていた。
そんな状態で今さらはたちがいの屋根仕事以外をしても年下から馬鹿にされるだけだから、彼は頑なに屋根仕事以外をやろうとはしなかったが、雨が続き、屋根仕事が少ない時季に彼は給料が少ないと激怒し、「だったらどうして屋根仕事以外をやろうとせんとか?お前アレもこれもやれ言うとろうが」と職長から逆切れされると急にしゅんとして「そう言うことじゃないじゃないですか…」と情けない顔をしていた。
よっぽど屋根仕事以外はしたくないんだろう。




仕事も仕事で私の仕事は決して大工ではなかった。口のうまい営業が持ってきた仕事を、詐欺にならないレベル(スレスレ)ならやると言うようなもので、このレベルの仕事で、こんな料金をとるのかと驚愕することも少なくはなかった。

そうやってやる必要があるのかも分からない仕事を、やりがいを、喪失したままやり続け、ある日件の先輩を屋根の上から蹴り落としたいという欲望に勝てなくなり一瞬で私は辞めた。

私の先輩は瓦職人だったが、私がフォローしている除せん作業員の方も同僚の元瓦職人から殺害予告を受けたとツイートしていたし、瓦職人というのは建築系の職人の中でも特に性格が悪いのかもしれない。
特に元瓦職人は。

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